総合支援室

在宅サポート入院

当センターでは、2018年度から「在宅サポート入院」の受け入れを開始しました。これは、通常の急性疾患による入院とは異なり、ご自宅で療養されている介護を必要とする状態の方やそのご家族を支えるために短期間の入院での療養を提供するものです。

在宅サポート入院を始めた背景

在宅で長期間療養している方々からは「だんだん体が動かしにくくなってきた」とか「食事のときにむせることが増えてきた」といった声を聞くことがしばしばあります。これまではそうした訴えに対しては外来で簡単な助言をするくらいしかできていませんでした。また、そうした方を介護しているご家族からは「数日家を空ける予定があるけど、ショートステイがどこも一杯で困っています」とか「介護保険の点数が足りなくてショートステイが増やせないんです」といった声を聞くこともありました。これまで入院となると、急性疾患に罹ったときか療養型病床などでの長期入院のどちらかしかありませんでしたが、その中間の入院形態が必要ではないかと考えました。

在宅サポート入院の概要

このような背景をふまえ、当院の在宅サポート入院では、介助量が増加して在宅での介護が大変になってきた方やショートステイ先が確保できないときなどに短期間の入院をしていただきます。当院では、単にお預かりするだけでなく+αの価値を提供することを目指しています。具体的には、リハビリテーションを行い動作能力や嚥下機能を少しでも改善することを目指します。あるいは、動作能力の低下した原因の精査や、多剤併用(ポリファーマシー)に対して処方の減量を行います。必要な場合には、ご家族やケアマネジャーと連携して介助指導やケアプランの見直しの相談も行います。

在宅サポート入院の内容

基本的には当院の地域包括ケア病床での入院になります。4病室のみで個室はありません。入院期間は数日~2週間程度でご相談をさせていただきます。動作能力の低下がみられる方にはリハビリテーションを行います(月~金曜日)。その他、必要に応じて検査や処方薬の調整を実施します。退院後はこれまでの在宅生活とかかりつけ医での診療を継続していただきます。

在宅サポート入院の目標

在宅サポート入院によって、動作能力の低下を少しでも減らし、介護者の身体的・精神的な介護負担を軽減することで、患者さんが住み慣れた場所で少しでも長く過ごせることを目指します。また、かかりつけ医の先生方が外来診療の中では手が回らない検査や処方調整を行うことで患者さんの健康状態の改善を目指します。

在宅サポート入院は、図に示すように患者さん・ご家族を中心に、かかりつけ医・ケアマネジャーはじめ介護職の方々・当センターが円滑に連携しないとうまく機能しません。それぞれの方々にお願いしたいことを以下に示します。

  • ご家族の方へ:現状では、「もっと長く入院させてほしい」という声をよくうかがいます。しかし、介護をしない期間が長くなると再開するときの負担感も大きくなるものです。短期間の入院の間に休養し、介護指導など受けていただくことで自信を取り戻して再び介護をしていただけることを目指したいと考えています。
  • かかりつけ医の先生方へ: 在宅サポート入院の利用時に、「この症状が気になっているけどついでに調べてほしい」あるいは「睡眠薬多いけど外来では減らしにくくて、入院中に減らしてみてくれないか」といった声をお伺いできればと思います。それにより外来診療と入院診療が連続性を持って継続でき、より良い連携ができると考えています。
  • ケアマネジャーの方々へ:ケアマネジャーの方々からの入院依頼にも対応しています。動作能力がだんだん低下しているときもショートステイが確保できないときなど、在宅サポート入院も選択肢に加えていただければと思います。

在宅サポート入院の申し込みについて

入院をご希望の際には、まずは、かかりつけ医の先生方やケアマネジャーの方から当院地域連携・総合相談室までご連絡ください。

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