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ボツリヌス療法について

脳卒中後遺症の手足のつっぱり(痙縮)とボツリヌス療法(ボトックス療法)について

 近年の目覚しい医療の進歩により、脳卒中による死亡患者は減少してきています。その一方で、生命が助かるようになった反面、脳卒中の後遺症である手足の"麻痺"や言語障害が残る患者は増加しています。これらの後遺症は、患者の日常生活の大きな障害となるばかりでなく、介護をする家族などにも大きな影響を及ぼします。

 手足の麻痺は、脳卒中の後遺症の中でも最も多く現れる症状ですが、この手足の麻痺と一緒に多く現れるのが、手足の筋肉のつっぱり(痙縮)です。麻痺とは別に、この手足の筋肉のつっぱり(痙縮)によって、手足の関節の固さや動かしにくさが生じ、リハビリテーションが行いにくくなることもあります。手足の筋肉のつっぱり(痙縮)を改善するためには、内服薬や外科的療法等、さまざまな治療法があります。最近では、新たな治療法として「ボツリヌス療法(ボトックス療法)」が加わり、その効果に期待が寄せられています。

脳卒中の患者数

 「脳卒中」とは、脳の血管が破けたり、詰まったりして、その先の細胞に栄養 が届かなくなり、脳の働きに障害が起きる疾患です。「脳血管障害」ともいわれます。脳卒中は原因により、「脳の血管が詰まるタイプ(脳梗塞)」と「脳の血管が破れるタイプ(脳出血やくも膜下出血)」の大きく2つに分けられます。

 日本の脳卒中の患者数は約134万人であり、今後、高齢者数が増えるほど、 脳卒中の患者数も増えるものと予測されています。最近では医学の進歩により、脳卒中による死亡数は減少しつつありますが、それでもがん、心疾患に次いで日本人の死亡原因の第3位となっており、1年間で約12万7千人もの人が脳卒中で亡くなっています。

 脳卒中が恐ろしい病気といわれるのは、生命が助かっても、さまざまな障害が後遺症として残ってしまうことが多いためです。重い後遺症のために介護が必要となることも多く、脳卒中は介護が必要となる原因の第1位にあげられています。

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痙縮(けいしゅく)(手足の筋肉のつっぱり)

 脳卒中でよくみられる運動障害の一つに痙縮という症状があります。痙縮とは筋肉が緊張しすぎて、手足が動きにくくなったり、勝手に動いてしまう状態のことです。 痙縮では、手指が握ったままとなり開こうとしても開きにくい、肘が曲がる、足先が足の裏側のほうに曲がってしまうなどの症状がみられます。痙縮による姿勢異常が長く続くと、筋肉が固まって関節の運動が制限され (これを拘縮といいます)、日常生活に支障が生じてしまいます。また、痙縮がリハビリテーションの障害となることもあるので、上手くリハビリテーションを進めるためには、痙縮に対する効果的な治療が必要となります。

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ボツリヌス(ボトックス)療法

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 ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌(食中毒の原因菌)が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。ボツリヌストキシンには、筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があります。そのためボツリヌストキシンを注射すると、筋肉の緊張を和らげることができるのです。ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。

 

 この治療法は世界80ヵ国以上で認められ、広く使用されています。現在日本では、手足(上肢・下肢)の痙縮、眼瞼けいれん(瞼が下がってきてしまう病気)、片側顔面けいれん(顔の筋肉が収縮する病気)、痙性斜頸(首が斜めに曲がってしまう病気)、小児脳性麻痺患者の下肢痙縮に伴う尖足(つま先が伸び、かかとが床につかない状態)に対して認可され、これまでに 9万人以上の人がこの治療法を受けています。特に2010年10月に上肢・下肢の痙縮に対して保険適応が認可されてからは、脳卒中の後遺症を抱えていた患者が広く治療を受けることができるようになりました。

 

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 ボツリヌス療法の効果は、注射後2~3日目から徐々にあらわれ、通常3~4ヵ月間持続します。その後、数週間で効果は徐々に消えてしまうので、治療を続ける場合には、年に数回、注射を受けることになります。脳卒中を発症してから何年経っていても、効果が出る可能性があります。ただし、効果の持続期間には個人差があるので、医師と症状を相談しながら、治療計画を立てていきますまた、ボツリヌス療法後に集中的なリハビリテーションを併用することで、これまで筋肉の緊張のためにできなかった動作ができるようになったり、無理な力が入らずによりスムーズな動作ができるようになる可能性があります。当院でも、ボツリヌス療法後は、外来だけでなく入院によるリハビリテーションを行うことがあります。

兵庫医科大学ささやま医療センター

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